Logistics(ロジスティックス):
軍事用語で兵站(へいたん)の意。
企業の物流合理化の手段。

軍事用語は、あまり好きではない。
また、モノづくりにおいても、合理化だけではすまされないこともたくさんある。
そもそも、作り手にとっては、直接、使い手に商品を届けることができたなら
Logisticsなんて必要ない。

しかし、作り手としては、この世界にモノを生みだした以上
ひとりでも多くの人にそのモノの良さを知ってもらい、世界中の人に届けたい。
つくられたモノを世の中に流通させるためには、
Logisticsは必要なことでもあるのだ。

モノに、パッケージがなされ、輸送に適したカートンに詰められ、
コンテナに入れられて…、物流合理化によりコストを抑えながらも
付加価値がつけられていく。

私たちのまわりにはLogisticsによって届けられた製品がほとんどなのである。

ならば、Logisticsの過程において、
同時にデザインについても考えることができたのなら。

これまで物流用としてしか見られていなかった物の中にも
素敵なデザインの要素が埋まっていることを知ってもらいたいーーー

Kan-kaku
使い手にモノが届いたあとのダンボール箱の行方を知る由もない。
おそらく、多くのダンボール箱は廃棄されるのだろう。

しかし、デザインが良ければ、部屋のインテリアになっているかもしれない。

何かを入れるのに、ちょうどいい大きさなら、収納箱になっているかもしれない。

中には、ヒッチハイカーのまだ見ぬ未来、出会いへの
コミュニケーションツールになっているかもしれない。

また、使い手にモノが届く途中であっても、
ブランド価値を伝える広告になっているかもしれない。

元気がなかったdeliverの気持ちもハッピーにさせるかもしれない。

単に物流用でしかないダンボール箱にも
さりげなく「その前のデザイン」と「その後のデザイン」について考えることで、
少しでも、作り手の想いを伝えることができたのなら素敵ではないだろうか。